今回は株式会社の定款における、任意的記載事項について紹介します。
絶対的記載事項、相対的記載事項については、前回までの記事で解説しました。
この3つ、簡単に言うと
- 絶対的記載事項は、記載しないと定款が無効になる必須事項
- 相対的記載事項は、定款に記載しない限り効力がない事項
- 任意的記載事項は、定款に記載することもできるし、定款以外の決議でも効力がある事項
です。
これまで同様、取締役会を置かないような小規模な株式会社を設立する場合によく用いられる事項を以下解説します。
基準日
基準日とは、簡単に言うと、その日に株主名簿に記載されている者が、株主総会で議決権を行使できる、というものです。
会社法第124条3項の規定により、基準日を定めた場合、その基準日の2週間前までに、基準日の権利の内容を公告しなければならないのが原則ですが、定款で基準日を定めることにより、その公告が不要になります。
株主総会の議長
株主総会の議長については、会社法に規定がありません。
よって株主総会の度に選任をすることも可能ですが、小規模な会社においては、議事進行をスムーズにするため、定款において「代表取締役が議長となる」などと決めておくことが多いです。
代表取締役
取締役が3名未満の、取締役会を置かない株式会社の場合は、定款で代表取締役を定めることができます。
また、定款で取締役の互選または株主総会の決議で代表取締役を定める旨、記載しておくことができます。
(会社法第349条3号)
事業年度
事業年度をいつからいつまでにするのか、会社法には規定がありませんが、定款で定めておくのが一般的です。
以上、小規模な会社設立に用いられる代表的な任意的記載事項を紹介しました。
会社の実情に応じて、ほかにも沢山記載すべき事項がある場合もあります。
※事務所便りの各記事は、原則として、投稿日現在の法令等に基づいています。今後の法改正にご注意ください。
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